【レポート】地域の活かし方学in尾道


 

12/16・17の二日間、ハタラボ島共同組合と尾道自由大学のコラボ講義が開催されました。地域の活かし方を淡路島と尾道、両方のフィールドで体験するこの企画。11月に開催された淡路島編に続いて、今回は淡路島の仲間と共に尾道へ飛び込んできました!

 

1日目となる12/16は、淡路島と尾道の参加者と顔合わせからスタート。尾道自由大学の古徳さんから参加者のみなさんにこんな質問が。「みんながイメージする尾道って?」このキーワードを切り口に、まだ見知らぬ尾道について紐解く時間がスタート。

 

百聞は一見にしかず。尾道の町をフィールドに、観光では知ることのできない一歩奥の街歩きがはじまりました。まず訪れたのはゲストハウスヤドカーリ

 

尾道水道を望む路地の一角にある古民家2棟を半年かけてDIYで再生されたのがゲストハウスとカフェが併設されたこの場所。空家だらけだったこのまちで、さまざまな人を巻き込みながら改装がおこなわれ2013年にオープンしました。

 

<一階にあるのが尾道土堂商店というギャラリー。オーナーが共感する想いのある人にのみ貸し出されているという。ゲストハウスもギャラリーも、収益よりもコミュニケーションから生まれる価値を重要視している。>

 

次に訪れたの宝土寺の住職松岡さん。多くの寺が存在する土地として知られる尾道ですが、どうしてこんなに多くのお寺が存在するのでしょうか?昔から商業の町として栄えていた尾道は、各時代に生まれた豪族が多く生まれ、神社仏閣への寄進造営をしたためと言われています。

 

<宝土寺では境内を使用したマーケットも行われています。かつて人々が集ったように、また寺に人が集まる新しい仕組みを作る住職の話に聞き入る参加者。>

 

続いて、尾道を愛する寅次郎さんによる、尾道の歴史を学ぶ寅散歩。昔の地図と現代の様子を見比べながら、どのようにしてこのまちが成り立っていったかを教えていただきました。

 

 

ところで!尾道といえば、猫の街として知っている方も多くいるのでは。実は猫が多いのも歴史が深く関係していたんです。今でこそ埋立地が広がり、平地に鉄道や商店街がありますが、かつては海から山の距離が近かったそうです。

海で取れた魚を、頭にのせてすぐ目の前の山に住む人々に売る際に、その場で捌いて売っていたことで、それを餌にした猫が昔から多かったのだとか。猫の多さにもそんな歴史が関係しているんですね~、寅さんの話にふむふむと聞き入ってしまいました。

 

一夜あけて、次の日に向かったのは尾道の対岸の“向島”。家族と地域の良さを活かした暮らし方やイベント作りを行う83ハウスの青山さんとディスカッション。

 

<かつて養蚕をされていた築90年の大きな民家に、住居と設計事務所を構えられています。>

 

 

つづいて、船にのって尾道へと戻ります。この向島からの連絡船もこじんまりとしていてなんとも気持ちがいい!穏やかな島の対岸へ向かう船、淡路島にはない風景です。

 

場所をオノミチシェアに移し、運営に携わる後藤さんから尾道での働き方をテーマにした企画や場作りのコツをお伺いしました。

 

最後に尾道自由大学のキャンパスへと戻り、淡路島から参加した参加者と、尾道チーム、それぞれの視点での振り返りを行いました。

 

<尾道自由大学の修了書の授与式。>

 

その土地の文化に耳をすませば、その街のあり方がみえてきます。尾道の「それいいね!やっちゃおう!」という“つっこみ不在”の、のびのびとした雰囲気が、この街を次の世代へと楽しく愉快に繋いでいっているのだと感じる二日間となりました。

 

今後も淡路島に限らずさまざまな地域との交流を通して、新しい未来をみなさんと見ていきたいと思います。